2006年10月30日

ヒアリング力を向上させるには?

あれだけ中学、高校で英語を勉強したのに聞き取れない…。
文章だったらわかるのに…。

これは、6年、10年英語を学習した日本人に共通の悩みではないでしょうか。

どうすればアメリカ人が話している言葉を理解できるようになるのでしょうか?

英会話スクールや教材メーカーは、いろいろな方法を薦めています。

1.講師はすべてネイティブ! 英語のシャワーを浴びましょう!
2.暗記しようと思うから続かないのです! ただこの教材をBGM代わりに流していればいいのです。 自然に英会話をものにできます!
3.留学しましょう!


まず最初に申し上げたいのは、いくら自分の周りで英語が語られていたとしても、それを聞き流しているだけでは、けっしてヒアリング力は向上しないということです。

一つ例をあげます。
英語による24時間ラジオ放送であるAFN(American Forces Network-米軍放送、旧称FEN)を聴くのが好きな日本のタクシーの運転手さんが、仕事している間中30年間AFNを聞き続けたとしても、ヒアリング力はほとんど向上しません。
ところが、1ヶ月くらい前に移民としてアメリカに移り住み仕事を始めた韓国人のタクシーをニューヨークで私が利用したときの話ですが、彼は仕事に使う英会話力(「どこに行きますか?」「この道は込んでいます。」「どの航空会社ですか?」だけは身につけていますし、こちらが伝えたいこともちゃんとヒアリングする力を持っていました。 しかしブロードウェイのミュージカルの話なんかを始めると、会話が続きません。 それでその運転手さんにどうやって英会話を勉強しているのかを聞いてみると(こちらの意志を伝えるのに5分くらいかかりましたが)、見せてくれたのがA4版くらいの1枚の紙の表裏に運転手と客との想定会話が50題くらい記述されているもので、これをとにかく頭の中に押し込んでいるのだそうです。(身振り手振りで、その紙を頭の中に押し込むというしぐさをしていましたのでたぶんそういうことです。)
私は、その紙に書いてある会話集を多少アレンジして問いかけてみましたが、自信たっぷりの即答が返ってきました。

最後に運転手さんに50題のうちの20問から30問まで指差すとその部分を紙を見ることなく、スラスラと喋ってくれました。 完璧に頭の中にインプットされているのです。そしてその運転手さんは、毎日の仕事の中で、その文章を繰り返し繰り返し使っているのです。

ヒアリング力とはこういうことなのです。
あるセンテンスが自分の頭の中にインプット(記憶)されているかどうかなのです。
インプットされていれば多少文章が変わったとしても相手が言っていることは聞き取れ、更に自分でも喋ることが出来るのです。
逆に自分でも喋れる程度(ここが大事です)にインプットしなければ、いくら英語圏に身を置いたとしてもヒアリング力は向上しません。

実際の日常会話に使われるセンテンスを、いかにしっかりと頭の中に定着させるかが大事なのです。 人間ですから、年齢に関係なく、新しく記憶したものは、時間が経てば必ず忘れます。 完全に忘れる前に、もう一度記憶しなおし、また忘れそうになる前に更にもう一度記憶しなおす。 これを繰り返すうちに忘れるまでの時間がどんどん長くなっていきます。 そしていつのまにかそう簡単には忘れなくなって自分のものになっていくのです。
もちろん私は、皆さんが楽しくそして継続して英会話の学習が続けられるように指導します。
しかし一番大切なのは、皆さんの“覚えよう”とする“力”なのです。
ほんの少しの“力”で構いません。 始める年齢や今までの英語の成績なんかも関係ありません。 ABCがわからなくても大丈夫です。 60歳を過ぎて、第2の人生を楽しむために始めても十分に英会話力は身につきます。 英会話を身につけてどんな風に自分が楽しめるかを思い描きながら、それを“覚えよう”とするほんの少しの“力”に変えてください。 そうすれば、誰でも確実に英会話力は(ヒアリング力もスピーキング力も)身についていきます。


英会話スクールのネイティブとの会話は、自分の頭に多くのセンテンスをインプットした後に、自分の実力を試す実践の場としての利用をお薦めします。
また、相手がアメリカ人であるとそれだけであがってしまい上手く話せない方もいらっしゃいます。 会話がコミュニケーションの一手段である以上、“外国人に慣れる”ということも大事なことです。 そのためには大いに利用する価値があります。

また、留学についてですが、私の今までの経験では、1年間程度の語学留学で英会話をものにできている方は、日本で相当量のセンテンスを頭にインプットしている方がほとんどです。 彼らはそのセンテンスを駆使しながらいきいきと昼夜会話を続け、自分の英語力に磨きをかけていきます。 会話のおもしろさからスクールでの勉強にも身が入り、更に新しいセンテンスをどんどん吸収していくのです。
逆に日本にいるときにそういう努力をしていない方は、留学先での授業も半分ぐらいしか理解できず、休み時間も友人同士の会話の傍聴者にしかなれず、最悪の場合、部屋にこもってアメリカのテレビ番組だけを見て帰国することになってしまいます。
これから留学を計画されている方は、しっかりと会話センテンスを頭の中にインプットし、このレベルなら留学する必要もないのかなと自分で思えるぐらいまで勉強し(実際にそのレベルになればますます留学したい気持ちは高まりますからご心配なく)、万全の準備の上で留学してください。 間違っても、“留学さえすれば英会話力アップ確実!”の宣伝を信じてはいけませんよ。
posted by od at 14:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 英会話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。「マイクの世界」
http://www.mikeworld.net/を主催しているマイクサカモトと申します。

面白く読ませてもらいました。私が書くヒヤリングの記事で貴兄の記事を紹介したいのですが、かまいませんか。
Posted by マイクサカモト at 2006年12月26日 13:27
貴サイトで記事を読まれた方が、引用元に容易に訪れるようにしていただけるのであれば、ご自由にご利用・ご紹介ください。
Posted by od at 2007年01月02日 12:04
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